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防音室の作り方と費用ガイド

防音環境構築ガイド防音、音漏れ対策コーナー

楽器演奏者にとって常に頭を悩ませる事のひとつがのが周囲への騒音対策では無いでしょうか?

特に日本の住宅事情では本番と同じ音量で練習するのはなかなか難しいところではないかと思います。そこでこのコーナーでは今すぐできる簡単な音漏れ対策から本格的な防音まで予算別、楽器別に詳しく解説していきたいと思います。

防音のポイント

防音をするにあたって、まずは基本的な事柄と注意すべき点を確認しておきましょう。最初に防ぐべき騒音には2種類あることを知っておきましょう。

有意な音と無意な音

2種類というのは有意な音無意な音です。

有意な音と言うのは会話や音楽など内容のある音、何かを伝える意図のある音と言えるでしょうか。

一方で無意な音は自動車や電車の騒音、風や雨音など自然発生する音、特に何かを伝える意図は持たない音という事になります。

この2種類のうち無意な音というのは人間の心理として状況によってはある程度までは許容できるようです。(それでも限度があり空港や高速道路沿いには騒音を防ぐための防音壁が設置されています。)みなさんも走行音のうるさい電車内でも集中してスマホをみたり読書をしたり、あるいは眠り込んでしまう事もあるでしょう。

騒音

しかし音楽や会話など有意な音というのは、たとえ音量が小さくても人間の心理として気になってしまう傾向があるようです。例えば静かな図書館で誰かがおしゃべりをしていたりイヤホンからの音漏れで読書や勉強が集中してできないなどです。

当然楽器演奏は音楽なので有意な音であるため、小さな音漏れであっても周囲に影響を与えている可能性に注意しなければいけません。

これらを考えると楽器の音漏れ対策は完全無音まで防音できないとしても外部の人にとって小さな音量であると同時に何か鳴っているけど音楽とは分からない程度に無意な音へ持っていく対策といっていいでしょう。

音源の違いによる対策の違い

何の楽器を演奏するかによっても対策手段や防音のレベルも違ってきます。楽器よって周波特性が違うため楽器に合わせた対策や音だけでなく振動対策の必要がある場合もあります。

またバンド演奏なのかピアノの演奏や合唱なのか目的の違いによっても手段と予算が変わってきます。

バンド演奏での防音

ピアノ演奏の防音

バンド演奏まで対応するのであればドラムの音漏れまで防ぐレベルの対策が必要になり、その分予算がかかりますが、ピアノや合唱でだけであればそこまで余計な予算をかけて過剰に防音する必要はないとも言えます。

逆にバンド演奏なのに予算をケチってカラオケ程度の防音対策では音が漏れてしまい防音になっていないなんて事になりかねません。演奏する楽器と目的をハッキリさせることが大切です。

音漏れ対策と音響対策の違い

防音と音響はそれぞれ違った概念かつ切っても切れない関係と言っていいかと思います。そのため防音効果のみ高めたら音が悪くなったという事が多々ある事態のようです。音漏れ対策を進めると音質にも変化が出ることを心がけておきましょう。音響工学は大変難しい物なので防音をしてあまりにも音が悪くなったと感じたら専門家のアドバイスを受けましょう。

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それでは、防音の手段と予算をみていきましょう。

防音方法、楽器総合編

まずはどんな楽器にも適応できる防音方法、音を外になるべく漏らさないようにする『遮音』をメインに考えてみましょう。

200万円以上~予算無制限 プライベートスタジオ建設

かなりの費用が掛かる事は間違いありませんが楽器演奏の防音として最も効果的なのは業者に依頼してプライベートスタジオを設置する事でしょう。予算に余裕のある方にはベストな防音方法です。

自宅防音室

では実際にどの程度の予算が必要になるのか部屋の広さにもよりますが、おおよそ次のような基準で計算すると大まかな費用が計算できるようです。

プライベートスタジオ施工予算の目安

15万円 × 面積(平方メートル) + 50万円

上記が予算の目安となる計算です。

これを基準に考えると約10平方メートルの6畳分をプライベートスタジオにする場合

15万円   ×   10  +  50万円 = 200万円

となり最低でも200万円は必要になりそうです。

部屋の広さごとに計算をまとめると

  • 6畳の防音室(約10平方メートル)  施工予算 200万円前後
  • 8畳  (約14.5平方メートル) 267万円前後
  • 10畳 (約18平方メートル) 320万円前後
  • 12畳(約22平方メートル) 380万円前後
  • 14畳 (約25.5平方メートル) 435万円前後

となり、比較的広い14畳のリハスタほどの防音室でも大型の乗用車を新車で購入する位の予算となりますので割と手の届きそうな費用かなと思います。

どんな建物に防音室を作るかによって防音室自体の設計も変わってくること、演奏する楽器や目的の違い、昨今の物価高を考えるとさらに予算が必要になりそうです。

逆にこれ以下の予算ではまともな防音室を作ることはできないと言えます。

プライベートスタジオ施工業者の選び方と施工依頼の注意点

防音の基本コーナーでも説明しましたが防音効果のみを一方的に高めた結果、音が悪くなってしまったというケースがよくあるようです。

これは施工を依頼した建築業者、リフォーム業者が音響の専門性を持ち合わせていない場合、作業をすべてお任せしてしまうと工場の防音ように本当に外部への防音にのみ特化した音響の悪い防音室が出来上がってしまう様なことが想像できます。建築、リフォームだけでなく音響の専門性も持ち合わせ数々のスタジオ建設を手掛けてきた実績のある施工業者さんを選ぶことがポイントになります。

スタジオの内装デザインにもこだわりましょう。

イメージとして防音室や音楽室、リハーサルスタジオなどは会議室のような無味乾燥な内装が多いのでなはいでしょうか。

会議室

殺風景な部屋かデザインを考慮した部屋かではやはり音楽の感じ方にも違いがでると言えます。いつも自分で使うことになるプライベートスタジオなら内装デザインも心掛けたいところです。

スタジオインテリア1

スタジオインテリア2 

しかし建築と音響、デザイン全てを持ちわせている施工業者をを探すのは大変なものです。スタジオの質が劣ってはいけませんし、スタジオを重視し過ぎて居住性が悪くなってもいけません。

注文住宅での新築の場合、内装業者が既に決められている場合があります。防音、音響の専門性を持ち合わせた業者であれば問題ないのですが中には専門知識を有していない場合もあります。まずはメインの建物を作る建築業者さんに防音室を作る内装施工業者さんをこちらから指定できるか確認することが大切です。演奏する楽器や目的をしっかり伝え自分のイメージするスタジオ付住宅の理想像を十分に話し合うことが出来る協力的な業者さんを選ぶことが望ましいところです。

プライベートスタジオ(防音室)を作るベストなタイミングは新築時!

スタジオ施工業者さんによると『新築の防音施工ではコンクリート外壁の導入や、設計段階から遮音に適した設計ができるため、既存建築での防音よりも低コストで設置できる』との事なので防音室の設置費用自体は少し抑えられるかもしれません。

新築

元々新築を立てる予定の方であればこの際スタジオも作ってしまえばベストタイミングですし、逆にスタジオを作るために新築にする決断もありでしょう。

自宅敷地内に離れとして防音の小屋を建てる場合は新築と同じく設計の自由度が増すと思われますが、敷地面積と建物との比率など建築基準法の要件を満たす必要があるのでご注意ください。

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防音室つき中古物件、建売物件

防音室を完備している中古物件なら条件によっては今の住まいにリフォームでスタジオを設置するよりも費用を抑えられるかもしれません。

売物件

最近は古い空き家をリノベーションして住むことも人気になっています。空き家対策として若い方の移住を推奨している自治体もあり補助金を受けられる地域もあるようです。防音に最適なのは周囲の建物と離れていることです。周囲に他の住宅のない一軒家であれば防音費用をグッと抑えられるかもしれません。

それでも新築がいいという方は防音室付きの建売物件なら注文住宅よりもおおよそ800万円程安く購入できると言われています。

月々10万円台~ 防音室付き賃貸

防音設備の整った賃貸物件であれば多額の費用をかけずに理想の楽器演奏空間を手に入れられるかもしれません。

アパート

防音と言っても集合住宅の場合は単に生活音レベルの防音と言った意味合いもあります。必ず『防音室付き』物件で探すようにしましょう。また、『楽器演奏可能』物件もありますがこちらは『防音室付き』物件よりも遮音レベルは低くなりバンド演奏やレコーディングは無理ですが、その分賃料も安くなるので個人練習がメインになる場合や楽器の種類によっては『楽器演奏可能』物件も選択肢に入れると良いでしょう。

防音室付きといっても、どの程度の防音レベルなのか必ず事前に内見をして適切な物件を選ぶようにしましょう。防音レベルによっては演奏できない楽器もあるかもしれません。

また、防音スタジオ付きまたは楽器可能シェアハウスであればバンドメンバーや音楽仲間同士で一緒に住むことで、いつでも練習やセッション、作曲もできるうえ家賃も折半できるなどメリットも沢山あるのではないでしょうか。

50万円以下~防音ブースの設置

防音性能はスタジオ建設に劣りますが自宅の一室に既成の防音ブースを設置するならもう少し予算を押さえて防音できそうです。

防音ブース

楽器によっては簡易防音ブースにさらに加工を加えるなど追加の対策を施すとより防音性能が高まるでしょう。

それでも既製品の防音ブースの場合ドラムセットを中に組めるサイズと遮音性能を持つものとなると重量もあるためスタジオ建設と同じ費用になってしまいそうです。生ドラムを心置きなく叩くには、やはりプライベートスタジオの建設か防音物件が無難かなと思います。そちらも参考にしましょう。

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数万円程度~50万円以下 DIYで防音ブースを製作

楽器の種類、どの程度のものを作るかにもよりますが自作で防音ブースを作ってしまえば既製品を購入するよりも大幅に予算を押さえることができそうです。

防音DIY

防音ブースを自作するには様々な資材を用意する必要があります。

DIY防音ブースに必要な資材

  • 合板、石膏ボード
  • 遮音シート
  • 吸音材
  • 防振マット
  • ツーバイ材(角材)

今後、実際の防音ブース自作方法も解説していきたいと思います。

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