いよいよ演奏に関する解説です。ギターで音を出すにはピックを使った演奏が一般的です。ギターを始めたばかりの方にとっては弦を弾く事も難しく感じられるでしょう。ピッキングが出来ないとチューニングもアンプでの音作りも出来ません。ピック以外にも音を出す方法や指を使って弾くプレイもありますが、まずは最も多くの場面で用いられるピックでの奏法を習得しましょう。
ピッキングの仕方
まだ弦を左指で押さえる必要はありません。まずは弦を押さえず開放弦、0フレットの音を出す方法を解説します。チューニングもまだこのページの段階では不要です。とにかく弦を弾く事をまずは覚えましょう。
ピックの持ち方
まずはピックの持ち方を身に付けましょう。基本を解説しますが、自分なりにしっくりくるよう微調節してみてください。
持ち方はシンプルに親指と人差し指ではさむのが一般的です。
このピックの持ち方が標準的ですが、人それぞれ指の長さも違うので解説を参考に自分なりの演奏しやすい持ち方を追求してもらいたいと思います。
中指も添える方もいるようです。
ギターの構え方
ピックの持ち方の基本が理解できたら次はギター本体を手にしますが、どんなスポーツにも基本的な構えがあるようにギターにも基本的なフォームがあるといっていいでしょう。特に初めはどこにどう手を添えたらいいのか?迷う事でしょう。ピッキングをする前に正しいフォームを身に付けましょう。
座って弾く場合
練習などで演奏するときは座って弾くことも多くなります。このときはピッキングする手の側と同じ側の足(もも)の上に乗せます。股の間にボディーを挟むスタイルにすると立って弾いた場合に近くなると言われますが、ギターの種類にもよるので各自無理のない体勢で構えましょう。
立って弾く場合
立って弾く場合はひじの角度が90度より広くならないようにストラップの長さを調節してください。この角度だとギターの位置は高めになるかと思います。初心者のうちはこれより低く構えると弾きにくいばかりか上達も難しくなってしまいます。ギターの位置を低くしたければしっかり上達して応用が効くようになってからにしましょう。
右手の添え方
では1弦0フレット開放のピッキング(一番高い音程の弦)を例に見ていきます。左手でフレットを押さえる必要はありません。
まず右腕の肘より少し先をボディーに乗せます。
次に手の置き方ですが、不要な音を出さないようミュートするためにブリッジ~リアピックアップ付近を右手の小指側側面で覆って2~6弦に触れてしまって下さい。
ただし、ピッキングする1弦まで触れてしまうと音が出ないので1弦には触れないよう注意します。
ピックを持たない中指、薬指、小指を立てボディーに付けて支えにします。1弦には触れないようアーチを作るイメージです。
ここまで構えができたら後は弦をピックでハジクだけですがピッキング自体にも基本的なスタイルがあります。ピッキングで音の出方やニュアンス、リズム、強弱さまざまな要素が決まります。将来的な上達にも影響してくるのでまずは基本を学びましょう。
1弦をピッキングしてみよう
ピッキングは指先だけを動かすのではなく手首の動きを利用するイメージです。手首をガチガチに固めないようにしましょう。ただし、指先の動きも全く利用しない訳ではありません。自然に動くよう無駄な力を抜いてください。
イメージとしては単音ピッキングの場合はうちわを小刻みに動かす感じです。あくまでも小刻みです。大きく振るわけではありません。
ダウンピッキングとアップピッキング
手首の振りを考えるとピッキングには2種類あることが分かります。普通に上から下へピックを振り下ろして弾くことをダウンピッキングと言いますが、この返しで下から上へ弾くアップピッキングもあります。ダウンピッキングをして戻るときも弦を弾く訳です。ダウンピッキングだけでは追いつかないフレーズが当然ありますし、ダウンとアップを繰り返す「オルタネイトピッキング」がピッキングの基本です。オルタネイトピッキングは今後リズパターンをキープするのに大変重要になります。そのためのアップピッキングも必ずマスターしましょう。
アップピッキングも基本的にダウンと同じように手首の動きを中心に指先の自然な動きを利用します。上の写真のうちわのイメージでダウンで行って返ってくる無理のない動きであれば問題ないはずです。余計な力みは良くありません。手首、指先を固めないようにしてください。また、弦にピックが当たる角度によって音のニュアンスが違ってきます。平行に当てたり少し角度をつけてみたり研究してみてください。
各弦のピッキングとミュートの重要性
1弦のピッキングができたら、ほかの弦のピッキングもしてみましょう。ただし手の位置が変わり、それにつれてミュートの仕方や手の置き方も対応が必要なので解説していきます。弦が変わってもダウン、アップピッキングともにできるようにしましょう。
ミュートの重要性
他の弦のピッキングまで解説するのは上にも書いたように手の位置の変化によってミュートの仕方も対応が必要になるからです。ミュートは不要な弦の音を出さないようにするため非常に重要になってきます。以外に見落とされがちな基礎でもあります。
特に大音量でのプレイやディストーションサウンドでの演奏の場合、ミュートがしっかり出来てないと不要な音まで大音量になるためフレーズがぼやけて何を弾いているのか全く訳がわからなくなります。ミュートが確実に出来ているかで上手いか下手か決まるといっても過言ではありません。初めのうちから確実なミュートを身に着けておきましょう。
6弦のピッキング
一番上側にある6弦(最も太い一番音程が低い弦)をピッキングしてみましょう。左手は使わない開放弦0フレットです。
6弦のみピッキングしようと手を添えてみるとピックを持たない小指などが1弦付近に当たります。そのまま触れてしまって手の支えにします。
このとき、1弦ピッキング時のように右手小指側側面をピッキングしない弦の上にのせてミュートしようとすると手首の動きが効かず6弦のピッキングが難しくなってしまいます。6弦ピッキングでは弾かない弦は別の方法でミュートするので、右手側面は弦に触れずアーチを作るように浮かせてください。
6弦ピッキング時のミュートの仕方
6弦ピッキングの場合、右手はあまりミュートに使えません。そこで左手をフレット上の任意の場所に触れさせて1~5弦の不要な音を出さないようにします。
このとき左手は軽く弦に触れるのみです。強く抑えて押弦状態になってしまうと、その位置のフレットの音が出てしまいます。ミュートで弦に触れるときはあくまでも軽いタッチで弦がフレットに当たらないようにしてください。
2~5弦のピッキング
2~5弦の単音ピッキングの場合はピッキングしようとする弦の上下に不要な弦が存在することになります。さらに右手の位置の関係もあり左右両方の手を使ってミュートを行います。
ピッキングする弦より上方にある弦は1弦ピッキングと同じように右手小指側側面でミュートします。右手より下側にある弦には触れないようアーチ状にします。
ピッキングする右手より下側にある弦は6弦ピッキングと同じように左手をフレット上の任意の位置で弦に触れてミュートします。
さらに、ピッキングする弦より上側の弦は右手小指側側面で既にミュートしてありますが、確実にミュートする方法として左手の親指でも不要な弦に触れておきます。
両手を総動員して不要な音は確実にミュートしましょう。