ピッキングやミュート、押弦そしてTAB譜について理解したところで用意したフレーズを使って練習していきす。今まで解説してきた項目を実践できているか確認しながら行いましょう。
ピッキング練習
ギター演奏に入門したての方は1音出すのもままならないでしょう。まずはとにかくギターに慣れる事が重要です。初めはリズムに合わせられなくても良いので用意したTAB譜をなぞるだけでも再現してみましょう。ただし今後の上達のためにダウンピッキング、アップピッキングを繰り返すオルタネイトピッキングのパターン指定は必ず守りましょう。
ダウンピッキングとアップピッキングの指定は次の記号で表記されます。
音符が一定のリズムで連続する場合のオルタネイトピッキングでは次のようになります。
ダウンピッキングのみのフレーズ
まずはダウンピッキングのみのフレーズです。上手くピッキングできない場合はピッキングの仕方をもう一度よく確認しましょう。繰り返しピッキングが出来るようになることが目的です。ダウンのみなので返しのアップで弦に当たらないように注意しましょう。
オルタネイトピッキングの練習
ここからはオルタネイトでのピッキング練習になります。フレーズはダウン、アップのピッキングとミュート、押弦それぞれ出来ていることが試されます。ゆっくりでいいので確実にできるようにしましょう。
このフレーズでは左手は基本的にクラシカルスタイルでの持ち方になります。
次はさらに弦移動も加わったフレーズです。このフレーズで各弦の位置的な感覚をしっかり養いましょう。こちらもゆっくり確実に習得しましょう。このフレーズは初心者だけでなくウォーミングアップフレーズとしてずっと使い続けられる便利なものです。慣れてきたら各自所有のメトロノームなどに合わせて少しづつテンポを上げながら練習するとよいでしょう。
フレーズのポイントとして、
「行き」の場合は一度押さえた指は弦から離さず押さえたままにします。
「帰り」は各弦において最後にピッキングすることになる人差し指のみ弦に触れたままにして小指から順に弦移動します。人差し指の弦移動はピッキング直前です。
こうすることによって指のバタつきを押さえる練習にもなります。
左手はクラシカルスタイルで弾き始めるフレーズですが3~1弦はシェイクハンドスタイルにも出来ます。2つのフォーム持ち替えの練習にもなるので慣れてきたら試してください。フォームの再確認は左手の押弦とフォームで見直しましょう。
ここまでのフレーズに慣れて容易に弾けるようになったら今度はしっかりとメトロノームに合わせてみましょう。
♩=60程度のクリックに合わせて演奏できるようになれば上出来です。追いつけない場合は自分でさらにゆっくりのメトロノームを鳴らしながらでも良いです。
音を伸ばしたり休符のあるフレーズのピッキング練習
ここまでのフレーズが弾けるようになったらオルタネイトピッキングがより重要になるフレーズを練習しましょう。オルタネイトピッキングはピッキングの効率化を図るものでもありますがリズムキープや正確なフレージングのためピッキングをパターン化する目的もあります。
次のようなフレーズの場合、休符とタイ(音を伸ばす)でピッキングしない箇所があります。ですが、わざと空振りを入れてください。初めのうちは空振りも意識して行わないとオルタネイトパターンが乱れてしまう恐れがあります。
基本的にはオモテの拍がダウンでウラの拍がアップになりますが、このルールが守られず気の向くまま我流でアップ、ダウンピッキングを行ってしまうと全く同じフレーズを毎回違ったピッキングパターンで弾いてしまうことになります。こうなってしまうとリズムキープも難しくなり、混乱が生じてミスが多発しわざわざ下手になる練習をすることになってしまいます。
ex-4も始めはゆっくりでいいので記号を守って弾いてみてください。
ピッキングパターン指定記号が無い場合
記号の通りにピッキングすればオルタネイトパターンに問題はありませんが一般的な楽譜には記号が無い場合がほとんどです。そのような場合は原則であるオモテの拍がダウンでウラの拍がアップピッキングであることを用いれば問題ありません。
では次のフレーズはどこがダウンでどこをアップでピッキングしますか?
正しいパターンは次の通りです。
複雑なパターンのフレーズに出会ったら初心者のうちは空振りを含めてオルタネイトの記号を自分で書き込んでみることをオススメします。
特に初めて弾くフレーズの場合オルタネイトパターンを守るクセが付いてないと混乱してしまいます。オルタネイトピッキングのパターンは難しいものではありません。ただし、とても重要な奏法なのでオルタネイトのクセをつけておくことが重要なのです。
弦移動を繰り返すフレーズ
弦を繰り返すフレーズでもオルタネイトの基本は変わりません。オモテがダウンでウラがアップになります。一つ下に位置する弦をピッキングする流れの場合そのままダウンピッキングしたくなりますが、ウラの拍ならアップピッキングにしなくてはいけません。
初めのうちはやり辛くて弦を間違えたりミスもあるでしょう。しかし、出来るようになるまで続けてください。慣れれば自然とできるようになるはずです。
上級者はオルタネイトではなく特殊なピッキングパターンを用いる場合もあります。しかし、初心者のうちは必ずオルタネイトのパターンを守りましょう。基本はオルタネイトでのピッキングです。オルタネイトパターンがしっかりしていればどんなフレーズにも対応できますしピッキングパターンが滅茶苦茶になることもありません。最初のうちから正しい方法で行えば変なクセが付くこともありません。オルタネイトパターンは必ずマスターしましょう。
今回は8分音符のみの解説でしたが16分音符では16分のオモテとウラでオルタネイトパターンを作ります。16分音符はある程度ギターに慣れてからでいいです。慣れないうちは8分音符までのゆっくり弾けるフレーズをリズムを守って沢山練習してください。
このページのフレーズでそれぞれピッキング、ミュート、押弦を正確に行いスムーズに弾くことが出来たでしょうか?上手くいかない方はまだまだ繰り返し練習してください。まずはギターに慣れピッキングを習得することが重要です。何度も練習してこれらがスムーズに出来るようになれば、とりあえずギターで音を出すという第一歩を踏み出せたといえます。新たなフレーズにも挑戦できるでしょう。次はよりギターらしいコードストロークについて解説していきます。