さて、単音で音を出せるようになったら今度は複数の弦を同時に鳴らすコードの弾きかたを解説していきます。まずコードというもは2つ以上の音を同時に鳴らした和音です。このコードが曲を構成する土台になります。
音楽は通常、主旋律いわゆるメロディーがあります。歌ものなら歌メロです。このメロディーだけでも音楽になりますが、音楽をより「曲」として形成するためにコードによるハーモニーが必要になるのです。
コードを弾くというのは伴奏にあたるものです。ギターは主旋律より伴奏(バッキング)を担当することがほとんどです。ソロプレイだけでは曲は成り立ちません。ギターは伴奏メインの楽器と言っていいでしょう。伴奏でのバッキングフレーズやリフもコードを元に考えられます。伴奏の軸となるコードプレイを習得していきましょう。
コードストロークを身につける
コードを弾くときは単音を鳴らす小刻みなピッキングよりも弦全体をピックが通過するイメージのストロークという動きで行います。ストロークは単音でのピッキングとは違うところもあります。正しくコードが鳴るようしっかりとしたストロークを身に着けましょう。
Aパワーコード
ストロークを学ぶためのサンプルとして、とりあえずAのパワーコードを押さえてみましょう。
6弦は使わないのでミュートします。軸となるルートのA音は5弦の開放弦0フレットとなります。加えて3弦、4弦の2フレット目を人差し指で同時に押さえます。次の図を参考に押さえてみましょう。
ではこのAパワーコードを押さえながら次からの説明を参考にストロークを習得していきたいと思いますが、
もし上手く押さえられない場合は何も押さえず、すべての開放弦を鳴らすだけでもいいです。コードを押さえることに気を取られて右手の振りがおろそかになると変な癖がついてしまいます。ギターの上達には実は右手ほうが重要です。まず先にストロークの練習に集中しましょう。
ピックの持ち方
ピッキングとストロークを同じ曲で繰り返すこともあります。ピックの持ち方は基本的には単音ピッキングのときと同じでよいでしょう。特別な変更はありません。ただストローク時はピックの先を少し長めに出したり若干角度を変える、添える指を増やすなどしても良いでしょう。自分なりのピッキング、ストローク用の持ち方を追求していきましょう。ピックの持ち方
構え方
これもピッキングの時と同じで肘より少し先をボディーに添えます。ここでも肘の角度が90°になるようにしましょう。パフォーマンス重視で腕の部分をボディーに添えないプレイヤーもいますが、かなりルーズな感じになります。上達するまではピッキング時と同じ構えにしましょう。
ストロークの仕方
ピッキングと同じように手首の動きが大切になります。さらにストロークでは肘の動きも加わります。手首の力だけでストロークするのではなく肘から先、腕の動きに手首が動かされるといったイメージです。よって、手首に余計な力みがあるとスムーズなストロークができません。余計な力を抜いておきましょう。
肘から先、腕の振りもそれ程大きなものではなくストロークする範囲での自然な動きです。また腕の振りのみでストロークしてはいけません。これに手首の振りが必要です。最初に説明したように手首の余計な力は抜いて全体の振りでストロークします。
悪い例として手首の動きを使わないとチョップのような振りになってしまいます。
まずはストロークの動きに慣れることを優先してください。ある程度こなせるようになったら以下のポイントも注意してみましょう。
ストロークの振りぬきスピード
コードの音は一瞬で出すということを心がけましょう。通常のストロークでは弦を通過するとき時間的な幅があまりないようにするのが望ましいです。
ストロークの時間的幅が長いとダラっとした締りの無いものになってしまいます。
わざとジャラ~ンとゆっくりストロークする場合やニュアンスによってストロークスピードに変化をつける事ももちろんあります。しかし、基本である瞬間的に音を出すストロークをまずは身に付けましょう。
物理的にストロークを0秒で行うことは不可能ですが、なるべく抜けのよいストロークを心がけましょう。そしてストロークスピードは曲のテンポに左右されることの無いようにしなくてはいけません。ゆっくりのテンポでも基本は瞬間的なストロークです。ゆっくりなテンポにつられてストロークも鈍ってしまわないよう注意が必要です。テンポが変わってもストロークスピードを一定に保つのは非常に難しいものです。これらのポイントはある程度慣れてきたら心がけてもらえば良いです。
オルタネイトでのストローク
ピッキングでアップとダウンピッキングがあったようにストロークでもダウンストロークの返りでストロークするアップストロークそしてダウン、アップを繰り返すオルタネイトでのストロークがあります。アップストロークも腕、手首の振りの基本は同じです。肘と手首2つの支点を動かす自然なアップダウンができるようにしましょう。
ダウンとアップで音になるべくバラつきが出ないよう強さのバランスや先ほど説明した振りぬきスピードにも注意しましょう。
さて、Aパワーコードでコードストロークを習得できたら次回はもっと色んなコードを鳴らせるようコードの基礎を解説していきます。